映画祭観賞記その5.『グッバイ、レーニン!』『ファインディング・ニモ』より
2003年11月9日======
『グッバイ、レーニン!』
本年度映画祭一番楽しみにしていた作品。ここ最近はまっているドイツ映画である。今回も例の「主演のダニエル・ブリュールが本当は来日するはずだったのですが・・・省略・・・」が。「またかよ!」と三村ばりの突っ込みを入れようとしたところ、「ダニエルは現在入院中でして、どうしても来れませんでした。」との事。さすがにこれでは無理だろうと納得。どうかお大事に。。
話は続き「監督、脚本のヴォルフガング・ベッカーは今朝成田空港に到着し、只今こちらの会場に向かって来ています。上映終了後後に舞台挨拶をいたします。」との嬉しいお知らせがあった後上映に。
時は1989年東ドイツ。ベルリンの壁崩壊直前に熱心な愛国主義者の母が倒れてしまった。母が昏睡状態の間世界は激変。数ヵ月後奇跡的に目覚めた母に医者から「今度ショックを与えたら命の保障はできない。」との通告をうけたアレックスは、母を自宅に引き取り現実社会の変化を隠そうとするのであった・・・
個人的には今年のベストといっても良いほど。期待を裏切らなかった。
ただのコメディー映画ではなく、複雑な家族愛も描かれていて深みのあるストーリー展開であった。登場人物も多彩で、母親、バツイチ子持ちの姉、それぞれの恋人、そして亡命した父親。他にもキーとなる人物あるが、一番いい味出してたキャラは映画オタクの友人デニスかな。アレックスと2人で嘘のニュース番組を作るのだが、これが最高にうける。
上映終了後に舞台挨拶した監督はとても気さくな話し好きな好人物でした。人柄の良さが映画に反映されているとでもいうのかな。とても温かい気持ちにさせてくれる人でした。ためになる話をいくつか聞き、舞台挨拶が終わり舞台袖に引っ込む時にも通訳、司会の人にきちんとお礼をしている感じでした。
偶然か必然か知らないが上映当日11月9日はベルリンの壁が崩壊した日でした。
同じ映画を2度観に行った事はない自分にしては異例だが、劇場公開になったらもう一回観てもいいなって思った映画でした。
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『ファインディング・ニモ』
東京国際映画祭クロージング作品。ディズニー×ピクサーの最新作。運良くチケット取れたので観ることに。1年に2,3回しか使わないと思われるメガネという武器を用意し会場に乗り込む。遠い遠いと思っていたがいざ座ってみるとそうでもなかった。別に裸眼でもどうにか観えました。原因は上映中と上映前ではスクリーンの大きさが違ってたからであった。
クロージングセレモニーがはじまり、今回は注目すべきゲストとかあまりきていなかったから個人的にはボーっと授賞式の様子を見ていた。つつがなく授賞式は終了。その後製作会社であるピクサーの監督、脚本、製作の人達の舞台挨拶があり、ゲストで日本語吹替版で声優をする木梨憲武と室井滋が登場。トーク終了後いよいよメインの上映に。
内容は誰にでも想像できるので省略。今CMとかで露出度高いからほとんどの人が知ってはいるであろう。ディズニー映画なので内容は分かりきっていて結末もハッピーエンドなのでその過程を楽しむってやつだ。とりわけ映像の美しさは凄かった。
キャラ的には、お父さんのマーリンや息子のニモは設定がさほど複雑ではないが、相棒のドリーが物事をすぐ忘れるという強烈な個性が際立って笑いを誘う。後しいてあげるならサメなのに魚立ちをしているブルースもいいキャラだ。全編通じてやっぱドリーがこの映画を盛り上げている。そのドリーだが日本語吹替版はゲストで来ていた室井滋がやるそうだがイメージはばっちり合っていると思う。仮に自分がキャスティングプロデューサーだとしてもやっぱり彼女に白羽の矢をたてたであろう。よく見ると顔もなんとなく似てるし。字幕派な自分だがまぁ別にこの映画に関しては字幕じゃなくてもいいかなって思ったりもした。魚が英語話そうが、日本語話そうがどっちに違和感を感じるって事はないだろうし(笑)
キャラクターグッズも豊富にあるらしく、この辺りディズニーは商売上手いです。その内絶対東京ディズニー・シーに「ファインディング・ニモ」のアトラクションできると思うんですが。。。
エンドロール中も観客を飽きさせない作りとなっていますので本編が終わったからといって席の早立ちは厳禁。最後はピクサーならではのゲストキャラが登場します。
ところでファインディングってどういう意味?当初しばらくの間は『ファイティング・ニモ』と思ってニモが戦うんだなって勝手に勘違いしていたんだが。。
調べればいいのだが、調べるのめんどくさい。。
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総評
今回の映画祭は全体的に小振りだった感は否めない。来年はもう少し盛り上げて欲しいところだ。NTTドコモがスポンサーということで携帯でチケット代わりになるというサービスを試験的に行っていたみたいだが、自分が見た限りでは誰も使ってなかったんじゃ?電子チケットって味気ないからねやっぱし。シークレット上映がなかったのも残念。これを期待してクロージングとったのに。。
個人的な反省としては今回は特別招待作品ばっかし観てしまったというところ。何作かコンペディション作品も観とけば良かったと後悔。
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